KNP ANAPHORA

KNPの照応解析に関して

照応解析オプション(-anaphora)を指定するとすべての基本句にEID(entity id)が、述語構造解析対象語には述語項構造が付与される
- いわゆる必須項と任意項の区別は行っていないため付加的な要素も項として出力される
- ただし，ゼロ照応解析の対象となるのはガ格項，ヲ格項，ニ格項のみ
EID付与のための共参照解析、述語構造解析のためのゼロ照応解析、連想照応解析はそれぞれ以下のモデルに基づいている
- 名詞関係辞書に基づく共参照解析 [ja] [en]
- 格フレームを用いたゼロ照応解析 [ja] [en]
- 名詞格フレームを用いた連想照応解析 [ja] [en]
ゼロ照応解析のパラメータ調整にはNAISTテキストコーパス1.4βを使用
- 訓練データ: 1月1日から11日までの通常記事と1月から8月までの社説記事
- 開発データ: 1月12日、13日の通常記事および9月の社説記事
- パラメータ調整の詳細は上記の論文「格フレームを用いたゼロ照応解析」に記載しているとおり

e.g. <EID:2>

照応解析オプション(-anaphora)を指定すると解析対象語に述語項構造が付与される
書式は格解析結果の出力フォーマットに準ずる
全体の書式は以下のとおり

<項構造:格フレームID:格要素群>

e.g. <項構造:飲む/のむ:動1:ガ/N/麻生太郎/1;ヲ/C/グアテマラコーヒー/3>
格フレームIDの書式は以下のとおり(-tabの指定した場合のみ出力される、-simpleを指定した場合は省略される)

代表表記:用言の種類+格フレーム番号

e.g. 飲む/のむ:動1
格要素群は格ごとに';'で区切られる. 各格要素の書式は以下のとおり

格/フラグ/ENTITY表記/EID

e.g. ガ/N/麻生太郎/1、ヲ/C/グアテマラコーヒー/3
格解析結果と違い、格要素の基本句番号、何文前かを記述していた箇所がEIDとなっている
フラグの書式は格解析結果の出力フォーマットに準ずる

C: 直接係り受けをもつ格要素 (格は明示されている)

N: 直接係り受けをもつ格要素 (格は明示されていない:未格,被連体修飾詞)

O: 省略の指示対象
ENTITY表記は以下のルールに基づき生成している
- 先行文脈内でそのEIDを持つ表現が固有表現として出現している場合は、最初に出現した固有表現の表記
- 固有表現として出現していない場合はそのEIDを持つ表現の初出の表記(複合語の場合はそれらを繋げた表記)

解析結果

# S-ID:1 KNP:4.18-CF1.1 DATE:2017/10/04 SCORE:-16.31767

* 3D <体言>

+ 1D <体言><EID:0>

麻生あそう麻生名詞 6 人名 5 * 0 * 0 "人名:日本:姓:135:0.00166 疑似代表表記代表表記:麻生/あそう" <NE:PERSON:B>

+ 5D <体言><NE:PERSON:麻生太郎><Wikipediaエントリ:麻生太郎><EID:1>

太郎たろう太郎名詞 6 人名 5 * 0 * 0 "人名:日本:名:45:0.00106 疑似代表表記代表表記:太郎/たろう" <Wikipediaエントリ:麻生太郎:0-1><NE:PERSON:E>

ははは助詞 9 副助詞 2 * 0 * 0 NIL

* 3D <体言>

+ 3D <体言><NE:LOCATION:グアテマラ><EID:2>

グアテマラぐあてまらグアテマラ名詞 6 地名 4 * 0 * 0 "代表表記:グアテマラ/ぐあてまら地名:国" <NE:LOCATION:S>

+ 5D <体言><EID:3>

コーヒーこーひーコーヒー名詞 6 普通名詞 1 * 0 * 0 "代表表記:珈琲/こーひーカテゴリ:人工物-食べ物ドメイン:料理・食事"

ををを助詞 9 格助詞 1 * 0 * 0 NIL

* 3D <用言:動>

+ 5D <用言:動><EID:4><項構造:ガ/麻生太郎/1;ヲ/グアテマラコーヒー/3>

買ってかって買う動詞 2 * 0 子音動詞ワ行 12 タ系連用テ形 14 "代表表記:買う/かうドメイン:家庭・暮らし;ビジネス反義:動詞:売る/うる"

* -1D <用言:動>

+ -1D <用言:動><EID:5><項構造:ガ/麻生太郎/1;ヲ/グアテマラコーヒー/3>

飲んだのんだ飲む動詞 2 * 0 子音動詞マ行 9 タ形 10 "代表表記:飲む/のむドメイン:料理・食事"

。。。特殊 1 句点 1 * 0 * 0 NIL

EOS